|おおむらくらしのおおくらさん|長崎県大村市

移住者インタビュー 土井英司さん

クラブハウザー。出版コンサルタント。読者数54,000人のメルマガ「ビジネスブックマラソン」編集長。
YouTube「びびびビジネスチャンネル」。長崎県文化観光事業アドバイザー

都会に拠点を残しつつ、地方や郊外など自分が好きなもう1つの場所で豊かに暮らす2拠点生活。空港へのアクセスがいい大村市で、適度に都会ともつながることができる理想的な暮らしを楽しんでいます。
決め手となったのは学生時代の留学先であるギリシャでの過ごし方。「今週はミコノス島とか、毎週末どこかの島に遊びに行くのが楽しくて。それ以来、毎年ギリシャに行っていたけれど、移動が16時間以上と長くて。日本でアイランドホッピングができる豊かなところってどこだろう?」。それが海岸線が長く、五島や壱岐、対馬など多くの島が点在している長崎県だったというワケ。「1日しか時間がなくても野母崎や平戸など、陸続きで遊べる場所がたくさんある」ところも、土井さんの目には魅力的に映ったといいます。


さらに充実した医療体制、町の人のオープンさ、食べ物のおいしさ。大村湾に沈んでゆく美しい夕日を眺めながら「今日も生きたな」と実感する時間に、大村市の豊かさを感じるそう。「僕が思うに、人間っていうのは生まれた場所とは別に心のふるさとがあるんだと思う」。波が穏やかで湖のような大村湾の静けさは、土井さんの出身地である秋田県男鹿半島の風景とよく似ているという。「だけど昔から、秋田っていうところに違和感があって。なぜか西に行けば行くほど感覚が合うというか。でも無意識のうちにシンパシーを感じているのかもしれないね」。


そんな不思議なご縁もあって、初めて住民票を移した土井さん。ニューヨーク、山口、大阪と拠点を変える生活を続けてきたのは、将来どういうところに住むか見定めるためだといいます。「なけなしの退職金で家を買って、えいや~と移住するのは無防備すぎ。ちゃんと人間関係ができてから引っ越せばいいんです。ボランティア活動しながら地元の人とつながりを持ったり、現地に友達をつくってから移住っていうのもあり。人脈なしで引っ越すって、結構つらいこと。イチからチャレンジでもいいけど、テスト的に住むと自分の感性がわかる。実際に住むと不便だなと思うこともでてくるわけだし」。
土地との相性を見極めるのも移住を成功へと導く大きなカギに。たとえば同じ長崎県でも、長崎市や佐世保市など、市町が変われば風土や人柄も変わるもの。だからこそ、「県」単位ではなく「市町」単位で移住先を決める視点が大事なのかもしれません


これから人生100年時代に突入するといわれています。「65歳でリタイアしても残り35年。よほどのお金持ちでなければ誰も金融資産だけでは生きていけない。ってことは一生働き続けるか、それともコストが安くてほとんどお金がかからない場所に引っ越して生きていくのか。豊かに暮らすための選択肢の1つが移住なんじゃないかな」。