|おおむらくらしのおおくらさん|長崎県大村市

移住者インタビュー 土井さん

恵三子さんの故郷にUターンしてきた土井さんご夫婦。慎二さんは兵庫県出身。お二人の笑顔からは「おおむら暮らし」の充実ぶりが伝わってくる。

名前:土井慎二さん、恵三子さん
生年:1972年、1979年
家族構成:夫婦ふたり
職業:ベトナム料理店経営
移住年月:2015年
前の居住地:東京都


Q1.大村市に移住するきっかけについて教えてください。


元々、東京の下北沢で同じ名前のお店を営んでいた土井さん。震災を機に移住を検討。その際、頭に浮かんだのが妻・恵三子さんの生まれ故郷だったそう。移住の決め手は固定費の低さと『チャレンジできそうな場所だと思えた』から。

東京の下北沢で「カラテチョップ」というベトナム料理店をやっていたのですが、2011年の東日本大震災などがあって、東京が地元ではない私達にとって、このまま経営を続けていくことに不安を感じていました。そんな時、妻の実家がここ大村市ということで、帰省の折この土地で「カラテチョップ」ができないだろうか? と考えるようになりました。この地でベトナム料理店ができるのか、生活がどうなるのか、という気持ちはありましたが、東京の固定費の大きさといったストレスはなくなるだろうと。そんな予感を感じながら大村に移住してきました。(慎二さん)

私は結婚してから自然とお店を手伝うようになって、経理の面もわかるようになりました。。正直、経営的に苦しいときもあって、主人が移住を本気で考えてくれたときは「お金がかかりすぎる東京から離れることができる!」と、心がスーッと軽くなったのを覚えています(笑)。母が経営していた定食屋さんの物件を使えるということで、思ったよりも早く「カラテチョップ」を再開できそうだと、具体的にプランが進んでいきました。(恵三子さん)


Q2.移住から2週間で「カラテチョップ」をオープンすることができた理由とは? また経営スタイルはどう変わりましたか?


ベトナムの雰囲気漂うカラフルな店内。元々アジア衣料品の企画デザインをしていた恵三子さんが、布を自分で縫うなどして飾り付け。恵三子さんのセンスをいかした可愛らしい店内は、特に女性の人気を集めている。

最初から無理せず、できるところからはじめようと決めていました。妻のお母さんが経営していた自宅兼店舗を改装するのも最低限に留めました。カウンターとテーブルはありましたので、ベトナム料理店っぽく飾り付けと食器棚を作りつけたくらいです。営業時間やメニューも東京の頃と変更し、お客さんの様子を探りながら判断していきました。(慎二さん)

お店の立地が裏通りということもあって、お客様が来てくれるのだろうか?という不安もありましたが、大村でベトナム料理店は珍しいということで、地元メディアにも取り上げていただき、たくさんの方に来ていただきました。設備も十分ではない状態でしたが、利益が出たら少しづつ設備投資に回す、という順序でやっていきました。(恵三子さん)


Q3.生活について。東京時代とは違うのはどんなところですか?


化学調味料に頼らずこだわりの味を提供している。写真は人気のフォーとミニカレーのセット。今の営業スタイル(定休2日)は東京時代からの夢だった。定休日は仕込みにたっぷりと時間を使えるのも「おおむら暮らし」が叶えてくれたことのひとつ。

大村は、夜が早いので閉店時間も早くしました。ランチ営業の方がメインなくらいです。東京時代はお店を閉める判断もシビアで、売上に直結するので休めなかった。今は定休日もあるし、店じまいも早い。その余裕が新しいメニューを生み出す時間に使えます。メニューが増えると、お客さんも興味を持ってくれて足を運んでくれます。そういうチャレンジというか試行錯誤ができる余裕があるのはとても大きいですね。(慎二さん)

大村は、平坦な地形なので移動がしやすいんですよ。よく地方は車が必須といいますが、市内中心部なら自転車で十分移動可能です。空港も近くて、東京時代のお客さんが来てくれたときは嬉しかったですね〜。(恵三子さん)


Q4.大村という土地の魅力は?


心に余裕ができ東京時代から生活が180度変わったと語る土井さんご夫婦。

人との距離が近いことですかね。移住から4年が経ち、知り合いも増えましたが、食材を地元の農家さんから購入できるのは良いですね。大村の野菜の品質の良さはもちろん、作った人の顔がわかるというのは、お互い意見交換ができます。野菜が進化していくのを感じられるのは、生産者の方にとっても良いことですし、うちの料理がさらに美味しくなるということで、Win-Winの関係を築けていると思います。さらに、ベトナム料理に必要な香草も栽培してくれるようになったりして。ありがたいですよね。

規模が小さくても、こうしたスピード感で信頼感が育っていくのは大村の人が協力的だから。私達みたいな自営業には心強いです。(慎二さん)

私達は親族が大村にいたというのもありますが、固定費の低さや、アクセスの良さ、街の規模感といった条件が揃っているところが魅力だと思います。お店を経営する自営業の方にはオススメできますね(恵三子さん)

ーーこれからは自分たちのためだけではなく、『人のためにも役に立てるような人生を歩んで行きたい』と長崎県のながさき移住コンシェルジュにも登録をされました。移住への一歩を悩んでいる方はぜひカラテチョップへ足を運んでみてください。


【2019年3月取材】